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愛と励ましの言葉366日
愛と励ましの言葉366日 (JUGEMレビュー »)
渡辺 和子
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未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.8
「見ても無駄ですよ」と、僕は言って、しかたなく子犬を女に見せた。

僕は何も言わず外へ出た。
ひとけのない寒い道を早足で歩きながら、憂鬱な気分を持て余していた。

しかし、よく考えてみれば、すべてこうしたことは取るにたりないことかもしれない。
同じようなことは過去にもあったし、これからも起こるだろう。

要するに、彼らはただ単に僕を必要としていないだけではなく、むしろ僕と言う存在に対していらだっているのだ。
もし、僕がいなくなったとしたら、その時に初めて彼らは落ち着きを取り戻すだろう。

しかし、今のところ、僕にはこの町よりほかに行くところもない。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 07:22 | comments(0) | trackbacks(7) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.7
僕はしばらくの間、彼女の言葉の意味がよくわからなかった。
それから、ようやく彼女が僕を疑っているらしいことに気づいた。

「別に・・・」と、僕は曖昧に言った。
ポケットに入っているものを、いちいち説明する気になれなかった。

「何が入っているか言えないん?」と、彼女は続けて言った。
少しいらだっているようだった。

「どうして言わんといかんの?」
僕は恐かった。
それは、僕の存在に対する、非道な挑戦だった。

「別にいかんとは言ってないんよ。ちょっと見せてちょうだい。それだけでいいんよ」
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:37 | comments(0) | trackbacks(4) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.6
神社の裏のコンビ二には、客が一人もいなかった。
僕は、アイスクリームのように冷たいドアをあけて、店内へ入った。

暖かい空気が、身体にまとわりついてくる。
僕は3日分程度の、最小限の食料を確保した。

半年ほど勤めた印刷会社を2か月前にやめていたので、もう生活費もあまりなかった。
また、仕事を探さなければならないだろう。

支払いを済ませて、外へ出ようとした時だった。
ふいに女の店員が、僕を呼び止めた。
振り向くと、店員は奇妙な事務的な微笑を浮かべていた。
目が、異様に輝いていた。
「そのポケットには何が入ってるん?」 と彼女は聞いた。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:10 | comments(0) | trackbacks(6) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.5
ふと、2年前家を出た時のことを思い出した。
それは、いやに寒い秋の夕暮れだった。

僕は何となく、5万円の入った貯金通帳だけを持って家を出た。
ただぼんやりと、散歩にでも行くように自分の生まれた家をあとにした。

毎日がゆううつだったので、そうした退屈な生活から逃れることを、僕は長い間望んでいた。

今は、僕は少し自由になった。
親しい友達もいないかわりに、何も僕を束縛するものはいない。

しかし、それで僕が幸せになったということはできない。
ただ、結局はこうした生活が、僕にはふさわしいのだろう。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:09 | comments(0) | trackbacks(4) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.4
僕は子犬をそっとコートの大きなポケットの中に入れた。
上からのぞくと、子犬は相変わらず力なく細い手足を動かして、居心地が悪そうにしていた。

あるいは、予想以上に弱っているのかもしれなかったが、もしかすると、温めた牛乳でも与えれば元気になるかもしれなかった。

僕は、町はずれのコンビニのほうへ歩いた。
寒かった。
捨てられた子犬と同じように、僕の身体も震えていた。

僕達は、同じように孤独だった。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:24 | comments(0) | trackbacks(2) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.3
僕は木枯らしに向かって歩いた。
どこかに母犬がいるかもしれない。

しかし広場を見回して見たが、それらしいものは見つからない。
僕らのほかには、生きて動くものはいないようだ。

広場を出ると、長い針葉樹の並木道がある。
教会のある、淋しい通りだ。

子犬は僕の腕の中で、何かを探すように鼻を動かしている。
多分、母犬の乳を探しているのだろう。

僕はその一人ぼっちの子犬に、少し興味があった。
ある意味で、その子犬は僕のものだった。

もし、一緒に暮らすことができたら、それはこのまま捨ててしまうよりは、楽しいことかもしれない。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 07:36 | comments(0) | trackbacks(5) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.2
黄色く汚れた新聞紙が飛んでくる。
それは、ちょうど子犬の上に落ちて、死者の顔を被うあの白い布のように子犬の身体を包む。

しかし、子犬は少しよろめくだけで、やがてまたどこかへ吹き飛ばされていく新聞紙に関心を示さない。
再び子犬は、歩こうとする努力を始める。
絶え間なく震えている身体はやせていて、そのまま乳を与えてくれる親もなくそこにいれば、あまり長くは生きていれないかもしれない。

僕は、その子犬を抱き上げた。
両方の手で、そっと持ったとき、かすかな暖かさが僕に伝わった。
それは、子どもの頃、よく触れたことのある、まだ赤ん坊だった妹の手の暖かさに似た、限りなく優しい感触だった。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:50 | comments(0) | trackbacks(4) |-
未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ vol.1
木枯らし。記憶の中の広場から、生まれたばかりの子犬の鳴き声が聞こえる。
真白い空。静まり返った広場。

子犬は震えている。
とても寒くて、水たまりには硬い氷が張っている。

地面も、鉄のように硬い。
どこか暖かいところへ歩いて行ければいいのだが、まだ動くことができない。

それでも、震えながら子犬は歩こうとする。
細い脚に力を込めて、ほんの一瞬立ち上がるが、すぐにバランスをくずして、
灰色の冷たい地面のうえに座り込んでしまう。

時おり、ひときわ強い風が吹いて、広場の端の、もうほとんど葉の残っていないプラタナスの枝を荒っぽく揺する。
posted by: eiji3 | 未完成的小説的快楽2007  風よ獣のように走れ  | 06:58 | comments(0) | trackbacks(2) |-